アスベスト調査を依頼する前に、知っておくべきポイントは多々あります。調査の目的や流れを理解しないまま依頼すると、費用や納期でトラブルになるケースも少なくありません。本記事では、スムーズに調査を進めるために依頼前に押さえておきたい基礎知識とポイントを解説します。
目次
アスベスト調査とは?
アスベスト調査を依頼する前に、アスベストの基本的な知識を深めておきましょう。なぜ調査が必要なのか、どのような法律が関係しているのかを知ることで、依頼先とのやり取りもスムーズになります。ここでは、知っておくべき基礎知識を解説します。
アスベストが危険な理由
アスベスト(石綿)は耐熱性・耐久性に優れており、1970〜80年代を中心に建材として広く使用されてきました。しかし、アスベストの繊維を吸い込むと肺がんや中皮腫などの深刻な健康被害を引き起こす事実が明らかになり、2006年に製造・使用が全面禁止されました。
問題はすでに建てられた建物のなかにアスベストが残っている点で、解体・改修工事の際に繊維が飛散することで、作業員や周辺住民に健康被害をもたらすリスクがあります。
アスベスト調査が義務化された背景とは?
大気汚染防止法や石綿障害予防規則の改正により、建築物の解体・改修工事を行う際には、工事着手前にアスベストの事前調査を行うことが義務付けられています。報告義務が生じる工事の規模は、解体工事では延床面積80㎡以上、改修工事では請負金額100万円以上が目安となっています。
また、2023年10月からは有資格者による調査が義務化されており、資格をもたない者が調査を行うことは認められていません。
調査しなかった場合の罰則とリスク
アスベスト調査を怠った場合、大気汚染防止法や石綿障害予防規則にもとづく罰則が科される可能性があります。具体的には、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、または6か月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が課されるケースがあります。
罰則だけではなく、工事の停止命令や社会的信用の失墜につながる可能性もあります。「知らなかった」では済まされないため、工事前に必ず確認する習慣をもつことが重要です。
依頼前に確認すべき3つのポイント
いざ調査会社に依頼しようとしても、事前に確認すべきことを把握していないと、費用や納期で想定外のトラブルが発生するおそれがあります。スムーズに手続きを進めるために、依頼前に必ず確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。
自分の工事は調査が必要か?対象工事の確認方法
アスベスト調査が必要かどうかは、工事の種類と規模によって異なります。解体工事の場合は延床面積80㎡以上、改修工事の場合は請負金額100万円以上が報告義務の対象となります。
ただし、報告義務の対象外であっても調査義務そのものがなくなるわけではない点に注意が必要です。また、2006年9月1日以降に着工されたことが書面で確認できる建築物については、調査が不要となる場合もあります。
不明な場合は専門の調査会社や自治体の窓口に相談するのが確実です。
調査にかかる費用相場と見積もりの取り方
アスベスト調査の費用は、建物の規模・築年数・調査箇所の数によって大きく異なります。一般的な木造住宅であれば数万円程度から、大規模な建築物では数十万円以上になる場合もあります。
費用を把握するためには、必ず複数の会社から見積もりを取り、内訳を比較することが大切です。見積もりの際は調査範囲・調査箇所数・報告書作成費用が含まれているかを確認し、極端に安い場合は調査の質が落ちている可能性があるため注意しましょう。
納期の目安と工事スケジュールへの影響
アスベスト分析の結果が出るまでには、一般的に10日〜2週間程度かかります。分析依頼が集中する時期にはさらに時間がかかるケースもあるため、工事の着工予定日から逆算して余裕をもった依頼が必要です。
とくに解体工事の場合、アスベストが含有されている建材が見つかった場合は除去工事が発生するため、その分のスケジュールも考慮しておく必要があります。工事の着手日が決まり次第、早めに調査会社へ相談することをおすすめします。
アスベスト調査の流れを事前に把握しよう
調査を依頼した後に「思っていた流れと違った」とならないためにも、調査の手順を事前に理解しておくことが大切です。スムーズに調査を進めるために、依頼から報告書作成までの流れと、調査後の対応について説明します。
書面調査から報告書作成まで5つのステップ
アスベスト調査は主に5つのステップで進みます。まず、建物の設計図書や仕様書をもとに石綿含有建材の使用状況を確認する書面調査を行います。
次に、実際に現場を訪れて目視で確認する現地調査を実施します。その後、疑わしい建材から試料採取を行い、専門機関での分析に進みます。
最終的に調査結果をまとめた報告書の作成が完成し、必要に応じて行政への報告も行われます。
調査結果の報告先と提出期限
一定規模以上の工事では、アスベスト事前調査の結果を行政機関へ報告する義務があります。具体的には、都道府県等への報告(大気汚染防止法にもとづく)と、労働基準監督署への報告(石綿障害予防規則にもとづく)の2か所への届け出が必要です。
報告は石綿事前調査結果報告システムからオンラインででき、1回の操作で両方への報告が完了します。報告の期限は工事着手日の14日前までが目安となっているため、余裕をもって対応することが重要です。
調査結果でアスベストが検出された場合の対応
調査の結果、アスベストが含有された建材が確認された場合は、工事前に適切な除去・封じ込め・囲い込みなどの対策工事が必要です。除去工事には専門的な技術と設備が必要なため、アスベスト除去に対応できる業者への依頼が求められます。
また、除去工事の内容によっては、工事着手14日前までに行政への届け出が必要になるケースもあります。調査から除去まで一貫して対応できる会社に依頼することで、手続きをスムーズに進められます。
まとめ
今回は、アスベスト調査を依頼する前に知っておくべきポイントを3つの観点から解説しました。アスベスト調査は法律で義務付けられた重要な手続きであり、怠ると罰則や工事停止のリスクが生じます。依頼前には、自分の工事が調査対象かどうかの確認・費用相場の把握・工事スケジュールを逆算した早めの依頼の3点を必ず押さえておきましょう。また、調査の流れを事前に理解しておくことで、依頼後のトラブルを防ぎ、工事をスムーズに進められます。アスベストが検出された場合は除去工事が必要になる可能性も念頭に置き、調査から除去まで一貫して対応できる会社への依頼をおすすめします。正しい知識をもち、信頼できる調査会社に早めに相談することが、安全で円滑な工事進行への第一歩です。
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引用元:https://northk.jp/lp/