アスベスト事前調査とは?調査が必要なケースや2023年改正内容を解説

公開日:2026/10/15
アスベスト事前調査とは?調査が必要なケースや2023年改正内容を解説

建物の解体やリフォームを予定している場合、工事前にアスベストの有無を確認する調査が必要になるケースがあります。2023年の法改正により、調査を行う人や報告方法に関するルールも変更されました。この記事では、工事前に必要となる調査の概要や対象となるケース、実際の流れ、法改正で変わったポイントについてわかりやすく解説します。

アスベスト事前調査とは?

建物の解体や改修工事では、作業前にアスベストが含まれている建材が使用されていないか確認することが求められます。まずは、この調査の目的や対象となる工事について見ていきましょう。

事前調査が必要な理由

アスベストは、飛散した繊維を吸い込むことで健康被害を引き起こすおそれがあるため、工事前に建材へ使用されているか確認する必要があります。もし含有建材を把握しないまま工事を進めると、解体や切断の際に繊維が飛散し、作業員だけでなく周辺住民にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、法律では一定の工事を行う前に事前調査を実施し、適切な方法で工事を進めることが義務付けられています。

調査が必要になる工事

対象となるのは、建築物や工作物の解体工事だけではありません。リフォームや設備更新など、壁や天井、床などの建材を加工・撤去する改修工事も対象です。

一方で、家具の設置や電球交換など建材を傷つけない軽微な作業は対象外となる場合があります。工事内容によって判断が異なるため、不明な場合は専門業者へ相談すると安心です。

2023年の法改正で変わったポイント

2023年10月からは、事前調査に関する制度が強化されました。以前との違いを理解しておくことで、適切な対応につながります。

有資格者による調査が義務化

2023年10月以降は、原則として建築物石綿含有建材調査者などの資格をもつ人が調査を行う必要があります。これにより、専門知識を持った調査者による正確な判断が求められるようになりました。資格をもたない人が実施した調査では法令を満たさないケースもあるため、依頼先を選ぶ際には資格の有無を確認することが重要です。

電子システムによる報告

一定規模以上の解体工事や改修工事では、調査結果を電子システムを利用して行政へ報告することが義務付けられています。報告を怠ると法令違反となる可能性があるため、対応実績のある調査会社へ依頼すると手続きもスムーズです。

調査の流れと依頼先の選び方

事前調査は、建物を確認して終わるものではありません。書面調査から必要に応じた分析まで、段階を踏んで進められます。ここでは一般的な流れを紹介します。

事前調査の流れ

まずは設計図書や建築確認書類などを確認し、使用されている建材を調査します。書類だけでは判断できない場合には、現地で建材を目視確認し、必要に応じて試料を採取します。その後、分析機関でアスベストの含有有無を調べ、結果をもとに工事方法を決定します。

一定規模以上の工事では、電子システムによる報告も実施されます。調査結果は工事の安全性を左右する重要な資料となるため、適切な手順で進めることが大切です。

信頼できる調査会社の選び方

調査会社を選ぶ際は、価格だけで判断しないことが重要です。まず確認したいのは、有資格者が在籍しているかどうかです。

また、調査から分析、報告まで一貫して対応できる体制が整っている会社であれば、手続きがスムーズに進みます。さらに、過去の調査実績や見積書の内容が明確であること、納期や報告方法について丁寧に説明してくれることも、安心して依頼できる会社を見極めるポイントです。

事前調査で知っておきたい注意点

法律に沿って工事を進めるためには、調査結果の取り扱いや調査後の対応についても理解しておく必要があります。

調査結果は一定期間保存する必要がある

事前調査で作成した記録や分析結果は、工事が終われば不要になるわけではありません。法令では、調査結果を一定期間保存することが求められています。将来的に建物の改修や解体を行う際の参考資料にもなるため、調査会社から受け取った報告書は適切に保管しておきましょう。

アスベストが見つかった場合は適切な処理が必要

調査によってアスベスト含有建材が確認された場合は、飛散防止対策を講じたうえで法令に従って除去や封じ込めなどの措置を行います。建材の種類や劣化状況によって適切な処理方法は異なるため、専門業者の判断に基づいて対応することが重要です。自己判断で撤去したり、通常の廃材として処分したりすることは危険なだけでなく、法令違反となる可能性もあります。

工事のスケジュールには余裕を持つことが大切

事前調査では、書類確認や現地調査に加え、分析が必要になると結果が出るまで一定の日数を要することがあります。工事開始直前に依頼すると、着工予定日に間に合わない可能性もあるため注意が必要です。余裕を持って調査を依頼することで、その後の工事も円滑に進められます。

まとめ

建物の解体や改修工事を安全に行うためには、工事前のアスベスト調査が欠かせません。2023年の法改正によって、有資格者による調査や電子報告が義務化され、これまで以上に適切な対応が求められるようになりました。対象となる工事では、書類調査や現地調査を経て必要に応じて分析を実施し、その結果に応じた工事方法を選択します。調査会社を選ぶ際は、資格や実績、対応範囲などを十分に確認し、信頼できる業者へ依頼することが大切です。適切な事前調査は、法令遵守だけでなく、作業員や周辺環境の安全を守るためにも重要な役割を果たします。

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