アスベスト(石綿)とロックウール(岩綿)は、建築材料としてよく知られていますが、特性には大きな違いがあります。今回の記事では、それぞれの材料の成分、安全性、利用方法について詳しく解説していくので、ぜひご一読ください。建築や健康に関心のある方々にとって、適切な材料の知識は重要です。
目次
アスベストの危険性
建築材料として長年にわたり広く利用されてきたアスベストは、耐火性や断熱性、耐久性の優れた特性から、多くの産業分野で重要な素材として扱われてきました。しかし、アスベストに含まれる微細な繊維が吸入されると、健康への深刻な影響が生じることが判明し、使用が禁止されたのです。
以下では、アスベストの危険性と健康への影響についてより詳しく解説します。
アスベストの種類と特性
アスベストは主に蛇紋石族と角閃石族に分けられ、クリソタイル、アモサイト、クロシドライトの種類があります。クリソタイル、アモサイト、クロシドライトなどのアスベストは、持っている特性から建築材料や工業製品に広く利用されてきました。
アスベストは耐火性や耐熱性、耐腐食性が高く評価され、さまざまな製品に加工されているのです。
アスベストの危険性と健康への影響
アスベストが危険視される理由は、繊維が非常に微細であるため、吸入された場合に肺に深刻な影響を及ぼす場合があるからです。アスベスト粉塵が肺胞に侵入すると、炎症や線維化を引き起こし、肺がんや悪性中皮腫といった重篤な疾患のリスクが高まります。
潜伏期間は非常に長く、発症までに数十年かかる事例があるのです。
アスベストの使用状況と規制
現段階では、アスベストの新たな使用は禁止されていますが、過去に建築された建物や製品には多く含まれています。解体や修繕作業においては、アスベスト除去が必要とされ、作業者の安全が確保されるように努められているのです。
規制の厳格化により、アスベスト関連の健康被害が最小限に抑えられるのが期待されています。
アスベストとロックウールの違い
建築材料や断熱材として使用されるアスベストとロックウールは、両者が繊維状の材料であるという点で共通していますが、入っている成分や性質には大きな違いがあります。こちらでは、アスベストとロックウールの違いについて詳しく解説しましょう。
成分の違い
アスベストは自然界で産出される繊維状の鉱物であり、主に蛇紋石や角閃石から成り立ちます。一方、ロックウールは人工的に作られる材料であり、玄武岩や鉄炉スラグ、石灰が原料となるのです。したがって、アスベストは天然の鉱物から得られるのに対し、ロックウールは人工的に製造される点で異なります。
繊維の形状
アスベストの繊維は非常に細かく、直径が0.02〜0.35マイクロメートル程度です。一方、ロックウールの繊維はアスベストよりも大きく、直径が3〜10マイクロメートル程度です。
この差異により、アスベストは空気中に飛散しやすく、吸入すると肺に深く侵入する可能性が高い一方、ロックウールは粒子が比較的大きいため、吸入しても肺に侵入しにくいという特徴があります。
体内での挙動
アスベストが体内に取り込まれると、アスベストの繊維がマクロファージによって分解されず、周囲の細胞を傷つける場合があります。一方、ロックウールはマクロファージによって吸収され、体内で分解され排出されるのが可能です。
したがって、アスベストが体内に取り込まれた場合と比べて、ロックウールの影響は比較的軽微であると考えられます。
発がん性の違い
国際がん研究機関(IARC)による分類では、アスベストはグループ1(発がん性がある物質)に分類されていますが、ロックウールはグループ3(発がん性を分類できない物質)に分類されています。
これは、アスベストが発がん性が高いとされている一方で、ロックウールの発がん性は確認されていないことを示しているのです。
ロックウールはアスベストの代替品
ロックウールは、建築業界で広く利用されている断熱材や吸音材の一種です。ロックウールの特徴は、繊維と繊維の間に空気を閉じ込めると熱を伝わりにくくし、建物の保温性や耐火性を向上させる点にあります。アスベストの代替品として開発されたロックウールは、安全性と効果を兼ね備えているのです。
優れた断熱性
ロックウールは、密度の高い繊維構造によって空気を細かい空間に閉じ込め、熱の伝導を防ぎます。結果として、建物内部の温度を一定に保ち、エネルギー効率を向上させられるのです。
高い耐火性
燃えにくく溶けにくい性質をもつロックウールは、火災の際に建物の構造物を保護し、火の勢いを抑える役割を果たします。そのため、防火性能を高めるための素材として広く利用されているのです。
優れた吸音性
建物内部の騒音を軽減するための吸音材としてもロックウールは有効です。繊維の間に入り込んだ音が、繊維の圧縮と膨張によって吸収され、建物内の静かな環境を作り出します。
安全性と効果を兼ね備えた素材
1970年代にアスベストの健康被害が問題視された後、ロックウールはアスベストの代替品として開発されました。アスベストには健康被害が指摘され、使用が規制される中で、ロックウールは安全性が確認された代替品として建築業界で広く受け入れられたのです。
まとめ
アスベストはかつて建築材料として広く使用されていましたが、健康リスクが明らかになり、代替品としてロックウールが注目されています。アスベストは繊維が非常に細かく、吸入すると肺がんなどの悪性疾患を引き起こすことがわかっているのです。
一方、ロックウールは岩石や鉱物から作られた繊維で、アスベストと異なり、発がん性が確認されていません。そのため、建築現場や住宅の断熱材として広く使われています。このように、アスベストの危険性を回避しつつ、ロックウールの特性を活かした安全な建築材料としての利用が進んでいます。
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引用元:https://northk.jp/lp/
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