中古マンションを購入する際、確認すべき重要な事項のひとつにアスベストの使用有無があります。とくに古いマンションにおいては、アスベストが使用されている可能性があるため、購入前に調査をおこなうことが重要です。ここでは、アスベスト調査の必要性と、その対策について解説します。
目次
中古マンションはアスベスト調査必須なのか
アスベストは石綿と呼ばれる繊維状の鉱物です。耐熱性や耐薬品性、耐摩耗性などのすぐれた特性をもっているため、かつては建材として広く使用されていました。
しかし、アスベストの繊維は非常に細かく空気中に飛散しやすいため、吸入すると肺に蓄積され、長期間の潜伏を経て肺がんや肺線維症の原因となることがわかっています。
こうした健康被害が報告されていることから、日本では1975年にアスベストの含有率5％を超える建材の使用が制限され、1995年には1％以上の使用が禁止されました。そして、2006年には全面的に禁止されています。
このため、2006年以前に建てられたマンションでは、アスベストが使用されている可能性があります。とくに1975年以前に建築されたマンションは、その可能性が高いです。
アスベスト利用の判断基準
アスベストは現在有害物質として広く知られていますが、古い建物ではまだアスベストが使用されている可能性があります。
ここでは、アスベストが使用されているかどうかを判断するための基準を紹介します。
築年数での判断
まず、建物の築年数を確認することが重要です。アスベストは1950年から1975年頃にかけて広く使用されていました。この時期の建物では、アスベストが使用されている可能性が高いため、とくに注意が必要です。
1975年から2006年にかけては規制が進み、使用できる建材の種類は減少したものの、完全に禁止されてはいないため、油断できないといえるでしょう。
重要事項説明書の確認
不動産を購入する際には、重要事項説明書を確認しましょう。重要事項説明書には、アスベストの使用に関する情報が記載されている場合があります。
もし、アスベストの使用が未調査である場合には、その旨が記載されていることが多いため、調査が必要となります。
データベースでの検索
国土交通省と経済産業省が提供する石綿（アスベスト）含有建材データベースを利用することで、建材名を入力してアスベストを含む建材の特徴を調べられます。
石綿（アスベスト）含有建材データベースを活用することで、具体的な建材のアスベスト使用状況を確認できます。
設計図や仕様書の確認
マンションの設計図や仕様書を確認することも有効です。これらの書類には、新築時の設計情報が記載されています。
中古マンションを購入する際には、売主からこれらの書類を引き継ぐことが一般的ですが、書類が残っていない場合もありますので、注意が必要です。
専門業者による成分分析
アスベストの有無を正確に確認するためには、専門業者に依頼して成分分析をおこなうことが最も確実です。
建材を採取し、専門的な分析をおこなうことで、アスベストの含有を確認できます。調査費用はかかりますが、心置きなく住める環境の実現のためには重要な投資です。
管理組合への問い合わせ
マンションの管理組合に問い合わせることで、アスベストに関する詳細情報を得られます。管理組合は建物の維持管理情報を持っていることが多く、アスベストに関する情報も把握している可能性があります。
ただし、すべての管理組合が詳細な情報を持っているわけではないため、確認が必要です。
もしアスベストが確認されたら何をすべき？
アスベストは、吸入すると健康に重大な影響を及ぼす可能性があるため、その危険性を軽視することはできません。マンションにアスベストが使用されていることが確認された場合、何をすべきなのでしょうか。
以下に、具体的な対応を紹介します。
専門機関への相談
アスベストが使用されている可能性がある場合、まずは建物の管理者や所有者に状況を確認しましょう。管理者が状況を把握していない場合は、専門の調査会社に依頼して、アスベストの有無を調査してもらうことが必要です。
また、お住まいの地域の自治体や保健所に相談し、指導を仰ぐことも有効です。自治体にはアスベストに関する専門的な知識をもつ窓口があり、適切なアドバイスを受けられるでしょう。
アスベスト調査の実施
アスベストが使用されていることが疑われる場合は、専門業者による調査をおこなうことが推奨されます。調査では、アスベストの種類や使用箇所、飛散の可能性などをくわしく調べます。
とくに、リフォームや改修を計画している場合は、事前にアスベストの調査をおこなうことが法令で義務付けられているため、必ず確認をおこないましょう。
適切な措置の実施
アスベストが確認された場合、その対策として、アスベストの封じ込めや撤去を考慮する必要があります。アスベストの撤去は専門的な技術と設備を必要とするため、必ず専門の業者に依頼しましょう。
作業中は、アスベストが飛散しないように厳重な管理がおこなわれます。また、撤去後の清掃も重要です。専門業者に依頼することで、安心して暮らせる環境を取り戻せます。
健康診断の受診
アスベストに長期間さらされている可能性がある場合は、健康診断を受けることも重要です。とくに、呼吸器系の検査を受けることで、早期に健康被害を発見し、適切な治療を受けられます。
まとめ
アスベストは健康に深刻な影響を与える可能性があるため、中古マンションを購入する際には調査が不可欠です。とくに古い物件は、購入前にしっかりとアスベスト調査をおこなったほうがよいでしょう。また、必要に応じて適切な対策を講じることで、安全で健康的な暮らしを確保できます。健康を守るために、しっかりとした対策を取り、安全な生活環境を維持しましょう。
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引用元：https://northk.jp/lp/
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